近年、車の持ち方に新たな選択肢として注目を集めているのが「車のサブスク」です。音楽や動画配信などの定額サービスが浸透するなか、車も「所有」から「定期利用」へと価値観がシフトしつつあります。
この記事では、車のサブスクの仕組みやメリット・デメリット、事故時の対応、自家用車との違いまで分かりやすく解説します。車のサブスクに興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
車のサブスクとは?
車のサブスクとは、月額定額料金を支払って車を利用できるサービスのことです。税金・保険・車検・メンテナンスなど、車の維持に必要なコストが月額に含まれていることが多く、ユーザーは手間なく車に乗ることができます。
契約期間は1年〜数年と中期的なものが多く、契約満了後には車を返却するか、別の車に乗り換えることが可能です。サービスによっては、契約終了時に車を買い取れるプランや、車を「もらえる」プランも用意されています。
なお、「カーリース」と似ていますが、サブスクはより「手軽さ・柔軟さ」を重視している点が特徴です。
車のサブスクを使うメリット
車のサブスクが注目されているのは、利用者にとって多くのメリットがあるからです。代表的なメリットを5つ紹介します。
初期費用がかからない
車の購入時に必要な頭金や登録手数料が不要で、まとまった資金がなくても新車に乗れるのが魅力です。家の購入同様に大きな出費がかかると思われがちですが、クレジットやローンと違い、契約時の大きな出費が発生しないため、資金に余裕がない人でも気軽に利用を始められます。「とりあえず車が必要」という人にも始めやすい仕組みです。
月々のコストが分かりやすい
車のサブスクは税金や保険、車検、メンテナンス費用などが月額料金に含まれているため、突発的な出費がなく、毎月の支出が安定します。
車にかかる総コストが明確になるため、家計管理がしやすく、予算を立てやすいのもメリットです。車関連の支払いを一括管理したい人にも最適です。
手間がかからない
保険加入や車検の手続き、定期的な整備などの面倒な管理をサービス会社が代行してくれることが多く、車に詳しくない人や忙しい社会人にも向いています。
面倒な事務作業を減らし、ストレスなく車を利用できるのがありがたく、手続きが苦手な人でも安心して使えます。
契約満了時に乗り換えがしやすい
契約期間が終了すれば、簡単な手続きで別の車種に乗り換えることができます。
ライフスタイルや家族構成の変化に応じて、必要な車を選び直せる点は、柔軟な車の使い方をしたい人にとって大きな魅力です。たとえば「次はSUVにしたい」などの希望も叶えやすくなります。
最新の車を楽しめる
車のサブスクでは、新車や最新モデルを選べるプランが多く用意されています。短期間で新しい車に乗り換えることが可能なため、常に新しい技術や快適な装備を体験したい方にとっては魅力的です。毎日の運転が楽しくなること間違いなしです。
最近では家具のサブスクも注目されており、部屋の雰囲気を気軽に変えたい方や、新生活を始める方にとっても便利なサービスです。
車のサブスクを使うデメリット
一方で、車のサブスクには注意すべき点もいくつかあります。契約前にしっかり理解しておきたいデメリットを4つ紹介します。
契約期間中の解約が難しい
車のサブスクは契約期間が決まっており、途中で解約する場合は高額な違約金が発生することがあります。
転勤や生活環境の変化で車が不要になっても柔軟に解約できない点は、大きなデメリットといえるでしょう。ライフイベントが多い人は慎重に選ぶべきです。
走行距離に制限がある
多くのサービスでは月間または年間の走行距離に上限が設定されており、それを超えると追加料金が発生します。
通勤距離が長い人や、頻繁に長距離を運転する人にとっては、思った以上に費用がかさむ可能性があります。契約前に利用目的を明確にしておきましょう。
原状回復の義務がある
契約満了時には車を返却する必要があり、キズや汚れがあると修理費用を請求されるケースがあります。
気軽にカスタマイズや車内での飲食がしにくく、日常利用でも丁寧な扱いが求められるのがネックとなる場合も。使い方に気を配る必要がある点は要注意です。
長期的には割高になる可能性も
車のサブスクは短期的な利便性に優れますが、10年以上同じ車を所有する場合と比較すると、総支払額は割高になるケースがあります。
長期間1台の車を大切に乗りたい人にとっては、購入の方が経済的かもしれません。コスト重視の人は、事前に料金を比較しておきましょう。
車のサブスクと自家用車の違いとは?
車のサブスクと自家用車の大きな違いは、「車を所有するかどうか」です。
自家用車は購入により所有権が自分に移ります。一方、サブスクはあくまで一時的に車を借りている状態です。自家用車はカスタマイズの自由度が高く、長く乗るほどコストパフォーマンスが良くなることがメリット。
対してサブスクは、ライフスタイルの変化に柔軟に対応しやすく、維持の手間も少ないのが魅力です。「3〜5年ごとに車を替えたい」「転勤・単身赴任などで一時的に車が必要」などの場合は、車のサブスクを使う方が便利です。
車のサブスク利用中に事故が起きたときは?
車のサブスクを利用中に事故を起こした場合、多くのサービスでは保険(自賠責・任意保険)が料金に含まれているため、通常の保険対応と同様に処理されます。
事故対応の基本フロー
まずは落ち着いて、以下の手順に従って冷静に対処しましょう。
- 負傷者の救護・安全確保
- 警察への通報
- サブスク会社・保険会社へ連絡
- 修理・保険手続き開始
注意点
事故後の対応にはいくつか確認しておくべきポイントがあります。
- 免責金額(自己負担額)が設定されている場合、修理費の一部を負担する必要があります。
- 契約内容によっては、事故車両の返却が必要な場合もあるため、事前に規約を確認しておきましょう。
- 修理期間中の代車提供があるかどうかも、契約前に確認しておくと安心です。
まとめ
車のサブスクとは、手間なく・初期費用をかけずに車に乗れる新しいサービスです。ライフスタイルの変化に対応しやすく、車の利用をより自由で柔軟にしてくれます。
一方で、契約内容の確認や事故時の対応、コスト面での比較など、事前にチェックしておくべきポイントも少なくありません。「車を所有する時代」から「車を使う時代」へ。あなたのライフスタイルに合ったカーライフの選択肢として、車のサブスクを検討してみてはいかがでしょうか?